なにやってんの私【幸せになることが最高の復讐】
「帰りましょう真さん」
笑いをこらえている真の腕を引っ張り、出ようとするあかりちゃんをどうにかこうにか引き留めた。
「だから、意味が分からないのは私も一緒なんです。一体なんなの?」
「秋川さんはなんでここにいるんですか?」
「それは、真が話があるっていうからここで待ち合わせて話を聞こうってことになって。なんの話だか知らないけど、メールじゃできないっていうから...」
「それって秋川さんが真さんに送ったメールの内容じゃないですか」
「......ん?」何言ってんの?
真とあかりちゃんを交互に見ても、どこからも答えが降りてこない。
真が口を開くまでは何も分からない。
「何言ってんだよ、お前が俺に話しがあるって言ったんだろ」
「.........」
びっくりしすぎて声が出ない。
思考ストップ。
真、何言ってんの?
自分で何してるか分かってるの?
「真さんと寄りを戻したいとかそういう話なんじゃないんですか?」
「.........」
口をだらしなく開き全身から力が抜けた。
今、真が言ったことをどう解釈していいのか分からなかった。
自分で呼び出しておいて、それが私からって話になってて、それをあかりちゃんは真に受けてて...
「秋川さん、自分で何言ってるか分かってます? ぜんぶ真さんのせいにしようとしてますよ」
「いや、だからね、そうじゃなくて」
たぶん何を言っても嘘にしか聞こえないんだろうけど、でもそうじゃないんだよって言ってるのに。