なにやってんの私【幸せになることが最高の復讐】

「あのーーー」



 目だけで『なに?』と言われるのは、よけい怖いんですけど。



「また、帰したんですか」

 冬山君のこと、また一方的に帰したに違いない。

「またか。何を人聞きの悪い。用事が終わったから帰ったんだろ?」

「帰ったんだろって、だっていままでのを説明をするって言ってたじゃないですか」

「お前が俺に話せばそれでいいんじゃないの? 未成年でもあるまいし、まだ保護者が必要か?」


 うっ......


 ひどい言い方。


「......ちゃんと話しますよ」

 そんなこと言われなくても。

「だいたい分かるけど、ちょっと言ってみて」

「え! 分かるなら別にいいんじゃないんですか?」

「......」

「言います」


 その目で殺す感じ、やめてください。


 と、心の中で言っとく。


「呼び出されたんですよ。その、昔の彼氏に」


 部屋のある階まで行くエレベーターの中で、今までの出来事を簡潔にまとめてさらりと言ってみた。

 言い終わるまで何一つ口をはさまずに聞いてくれてた萩原さんは、何かを考えているんだか、考えていないんだかよく分からない表情。

 
 
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