なにやってんの私【幸せになることが最高の復讐】

「で、いくらだったんですか?」



「3万円」






「っはーーー!!!!!」




「うるっさい」

「だってそれじゃ引っ越しじゃないですか! 単身パックとかなんかそんなかんじじゃないですか! 引っ越した記憶、無いんですけどー、」

「だからそう言ったじゃないさっき。そんなに大声出さなくても聞こえる」


 店長、さっきの本気で言ってたんだ。

 真、まじであり得ないから。今すぐ電話して怒鳴りたいところだけど、それやったところできっと手を考えてあるに決まってる。


 積み上げられている段ボールの中身が気になるところだけど、もうどうにもならないんだろうな。

 店長が持ってる伝票が忌々しい。

 破り捨てたら少しは気分が晴れるような気がする。


「店長、今月わたしシフトたくさん入れてください。他店に応援にも行きますから」

「ほんと! それ助かるわぁ。丁度人手が足りなかったのよね。明日からおねがーい」


 にこやかな笑顔の店長に何も恨みはないんだけど、でもね、私の気持ちは...

 怒りにまかせて何をしでかすか分からない。



「そんな変な男、さっさと縁を切ることだよ」


 そのひとことが何故かとっても嬉しかったです。

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