なにやってんの私【幸せになることが最高の復讐】

 朝は伝票をちらつかせていたその手には、今度はしわしわになった紙が一枚。そのまんまの状態で店長の手の中に。


 あー、きっと店長それ読んでイラッときて握りつぶしたんだろうなぁ。


 だいたい良くないことしか書かれていないってことは予測できた。受けとりたくないけど、そうもいかずに手を伸ばす。


 深呼吸を大きくひとつ。


 私はここ最近、かつてないほどに深呼吸をしている気がしてならない。



 深呼吸の無駄遣いだよほんと。


 





『めんどくせえもんばっか置いてくなよ。片付ける俺の手間も考えろ』











 前頭葉部分、頭の前面あたりが、ブチンと音を立てた。


 メモを握り潰したその手は怒りで震え、目がすわる女が二人。


 腹が立ちすぎて言葉にもならなかった。


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