なにやってんの私【幸せになることが最高の復讐】

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「あ、なっちゃん今日17時上がりでいいよ」

「なんでですか? だって今日のシフトってラストまでだからあと3レッスン入ってるはずですけど」

 朝のレッスンが終わってスタジオを掃除しているときに店長が声をかけてきた。

 店長が次のレッスンに入るので、いつもとは違って髪の毛はひとつに無造作にまとめ、私が片付けている隣でストレッチをしている。細い体はしまっていて、女性から見てもいい体だなぁって思うほど。惚れ惚れしてしまう。

「そうなんだけど、今日急遽新人イントラが来ることになってね、それに入らないとならなくてさぁ」

「てことは、マネージャーも来るってことですか?」

「そゆこと」


 マネージャーも来るってことは、私がいなくても回るということで、

 予定通り19時の萩原さんの約束に間に合うわけだ。

 あとひとつレッスンに入ったら今日の業務は終了する。

 
 掃除を済ませ、控え室に戻りメールをチェックしてみたけど、萩原さんからのメールは無し。

 メールくらいくれてもいいじゃない。忙しくてまだ読んでないとか?

 どちらにしても、行けるということは伝えといたほうがいいよね。


「よしっ」

 着替えて少し休んだらもうひとレッスンだ!

 何も考えずにひとまずは仕事に専念しよう。

 それがミッション2に通じるところでもあるんだから。

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