未来へ

街は、変わって行く。
だが街にある物（建物）は、変わらなかった。悠志がこの電車に乗ると街は変わっているのに何故か街並みは変わっていないように見るのだった。


「次は〜西山町〜乗り換えは〜………」


そんなことを考えているうちに降りる駅についた。
ホームには人がまばらにいる。
小走りで駅を出て交差点を渡った。
すると目の前にビルが見えてくる。あれが悠志の働く会社。　　　　　　　　　だが悠志は会社の名前を知らなかった。その方が会社としては都合が良いからだ。


悠志はビルの左隣にある、小さな二階建の建物に入っていった。ここが悠志達の会社の入り口─────



入って正面にはこじんまりしたオフィスが広がっていた。
ディスクに座り仕事をしている女は悠志を見ると悠志のもとへ無表情のまま来た。

「ご用件は？」

愛想というものが女には、全くというほどなかった。
まぁ必要ないのだろ。

悠志は思った。

女に黙って社長の手紙を差し出す。

「かしこまりました。」

女は、一礼をして
自分の席に戻って行った。
では、こちらへ

アナウンスが入り、
端にある扉が開いた。