新撰組に拾われた銀狐?!
雨
ー ザァァ‥ ー
雨の音が激しくなる。
そんな中、彼は1人ポツンと壁を背に
座っていた。
母様…。
僕がここに来る前までは母様と楽しく
幸せに暮らしていた。
それなのに…それなのに…!
『ここに妖怪がいるぞ!』
『これは、化け狐か!』
山奥でひっそりと暮らしていたのに
人間たちに見つかり急いで走り出す。
人間たちは何やら凶器のようなものを手にして
彼と彼の母を追いかけてきた。
『ギン。あなたは早く逃げなさい』
そう言って彼を突き放した母。
『け、けど!』
『いいから行きなさい!…すぐに行くから』
にっこりと微笑む母に頷き
彼は無我夢中で走り出した。
その時。
『キャアァアアアッ!!!!!!!!』
突然の悲鳴。そして、歓声が聞こえてきた。
その悲鳴は母の声だった。
追いかけるって言ったじゃないか!
なんで…なんで…。
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