「記憶」
Part1*序章






戦火が上がる山々

血に染まる赤い大地

黒い煙 転がる死体

焼け付くような血と焦げた臭い



火花が散り、風に乗って頬を焼いていく







視界が薄っすらと赤く、

空が広がっている。



ああ…体に力が入らない

感覚が……分からない。





ただ…そう、彼の顔が

目の前にある。



私の好きな、愛している男。




いつも仏頂面の彼が……



泣いている…?








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