「記憶」
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「なぁ、ミラナ」
「ん?」
剣の手入れをしていると、
後ろで馬の世話をしている
レヴェルに声をかけられた。
「お前、本当に戦士になるのかよ?」
「なによ、今更。これでも私、
トップ5の実力者だよ?」
「いや、そうなんだけどさ…なんつーか…」
「レヴェルは心配なんだよ。
…まぁ、僕も心配なんだけどね」
レヴェルが口籠っていると、
私の前に座るロイがにこりと笑って
そう言ってきた。
「ミラナは美人だから、
たくさん貴族から求婚されていたのに
全部跳ね除けちゃうなんてさ。
衣食住には困らないのに、少し勿体無いよ」
「戦士になると飢えなくて済むが、
命懸けの仕事だしなぁ…」
「そうだね…金持ちと結婚した方が、
楽なのかもしれないねぇ…」
確かに、貴族と結婚して
ドレスを着て美味しい食事を食べて
優雅な鳥籠の中の暮らしをする子はいる。
でも、私は………
「でも、私は、命懸けだろうが、
好きなやつとこーやって
一緒にいられる方が好きだよっ」