「記憶」
「おい…雅……?」
「え、あ、私、何言ってるんだろっ!」
ハッとした。
そして、驚いた。
何を言ってるんだ私は…!と。
「夢でも見た?あ…覚えてるかな?
さっき雅が体育館で倒れて…
ここは保健室だよ」
簡単に説明し、
状況を教えてくれる翔。
確かに先生はいないが、
見渡すと保健室にいるようだ。
「先生は疲労じゃないかーって言ってたよ」
「お前な…びっくりするだろ」
「ご、ごめん二人とも。心配かけました」
肩を窄めて謝ると、
翔がさらり…と髪を撫でてきた。
「雅、もう頭は痛くない?」
「う、うん、少し寝たら治ったみたい」
「…無理はするなよ」
ぶっきらぼうに言ってくる拓馬に
ふふっと翔と二人で笑って
「ありがとう!」
と声をかける。