「記憶」






「今日の放課後、本屋寄っていい?」

「おう、いいぞ。俺、コンビニ寄るし」

「私は両方寄るー」




そんな会話をしながら、

あはは…と笑う。



他愛ない、いつもの日常だ。


そう、いつもの三人だ。




だから………



夢でみた彼らは、

二人じゃないはずだ。



レヴェル?ロイ?


違う、あれは…違う、絶対違う。



何故、拓馬と翔に見間違えたんだ?


馬?剣?………戦士?



今朝みた夢の続きのようで、

倒れる前にみた夢のようで、


ぶるりと少し肩を震わせる。





「雅ー、早く授業いくぞー」

「あ、うん!」




拓馬に呼ばれ、

私は上靴を履いて保健室を後にする。





あれは、ただの夢。


だから、気にする事はない。




……そう言い聞かせて。






< 14 / 95 >

この作品をシェア

pagetop