「記憶」
「今日の放課後、本屋寄っていい?」
「おう、いいぞ。俺、コンビニ寄るし」
「私は両方寄るー」
そんな会話をしながら、
あはは…と笑う。
他愛ない、いつもの日常だ。
そう、いつもの三人だ。
だから………
夢でみた彼らは、
二人じゃないはずだ。
レヴェル?ロイ?
違う、あれは…違う、絶対違う。
何故、拓馬と翔に見間違えたんだ?
馬?剣?………戦士?
今朝みた夢の続きのようで、
倒れる前にみた夢のようで、
ぶるりと少し肩を震わせる。
「雅ー、早く授業いくぞー」
「あ、うん!」
拓馬に呼ばれ、
私は上靴を履いて保健室を後にする。
あれは、ただの夢。
だから、気にする事はない。
……そう言い聞かせて。