「記憶」






「ああ…悪い助かる」




そう言って

俺は女の手から書類を受け取る。


すると、女は

にこりと微笑みを返してきた。




確かこいつは……



「ミラナ・リクフォードか?」

「あら、隊長様に
覚えていただけて光栄です」




特に照れる様子もなく、

戯けて言う目の前の少女の頭を

軽くポンポンと叩いて席に着くよう命じる。





鳥のさえずり

青い空

揺れる風


綺麗な…ミラナという女







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