「記憶」






「あはは…っ私、何言ってんだろ」




焦る気持ちを隠して笑うと

「夢でも見たのかーっ?」なんて

笑い声がクラスから上がる。



とりあえず、その場は席に座り…

いつも通り授業を終えた。



授業を終え、昼休みになった時。



「なぁ、雅」



拓馬が深刻な顔をして話しかけてきた。

だが…



「ご、ごめん!ちょっと用事ある!」

「あっおい…!」




拓馬の声を遮り、

私は走って教室を出て行く。




もしかしたら、紫月先生なら

何か知っているかもしれない。



そんな、根拠のない理由に縋って

私はとにかく職員室へ走る。







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