「記憶」







「キルドって、なんですか…!?」




言うと、先生は目を大きく開いて

パンを食べるのをやめた。




そして、無言が続き




「いや…俺に言われても知らねぇよ…」

「で、ですよね…」




知らないと言われてしまった。



先生は再びパンを食べ始め

私は「はあぁ…」と頭を抱える。




「なんだそりゃ、ゲームかなんかのキャラか」

「いえ…私の夢に出てくる化け物です」

「あ?夢?」




はい…と返事をし、

バカバカしいかなと思いながら話を続ける。




「ここ最近…ちょうど、
先生がこの学校に来た辺りから
毎日寝ているとみるんです。同じ夢を」

「…だから寝不足か?薄っすらクマが出来てる」

「あはは、そうです。
拓馬と翔にも言われました」





心配そうに私に声をかけてくる

幼馴染の顔を思い浮かべてふふっと笑う。







< 32 / 95 >

この作品をシェア

pagetop