「記憶」
「キルドって、なんですか…!?」
言うと、先生は目を大きく開いて
パンを食べるのをやめた。
そして、無言が続き
「いや…俺に言われても知らねぇよ…」
「で、ですよね…」
知らないと言われてしまった。
先生は再びパンを食べ始め
私は「はあぁ…」と頭を抱える。
「なんだそりゃ、ゲームかなんかのキャラか」
「いえ…私の夢に出てくる化け物です」
「あ?夢?」
はい…と返事をし、
バカバカしいかなと思いながら話を続ける。
「ここ最近…ちょうど、
先生がこの学校に来た辺りから
毎日寝ているとみるんです。同じ夢を」
「…だから寝不足か?薄っすらクマが出来てる」
「あはは、そうです。
拓馬と翔にも言われました」
心配そうに私に声をかけてくる
幼馴染の顔を思い浮かべてふふっと笑う。