「記憶」






送ろうか?と問うと、

いらない、一人にして、と言って

優香は泣きながら部屋を出て行った。



…けど、あんな足を露出させた格好の…

しかも泣いている女を

夜、一人で歩かせるのは

あまりにも危険な気がして俺は

半ば強引に車へと乗せて

優香が住まうマンションへと送った。





「着いたぞ」




そう言ってまだ泣き止まない

優香の肩を慰めようと軽く叩くと

「別れるのに優しくしないで…」と

言われてしまった。




それもそうかと思い、

荷物を車から降ろすと優香に渡し

何も言わずに車を発進させた。







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