「記憶」





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夜が明け始める午前5時



既にスーツに着替え、

車で珈琲を飲みながら学校へと向かう。



学校へ着くと、同僚や上司、

生徒達が挨拶をしてくる。



その挨拶全てに返事をし、

ホームルームの準備を済ませ

教室へと向かう。




すると、昨日と変わらず橘花はいた。


昨日、俺が声を

荒あげた事なんて忘れたように

にこりと微笑んでくれる。



もし、目があって

そっぽ向かれる事があったら

俺は本気で全身全霊をかけて

手を尽くそうと思っていた。




…けど、彼女は笑った。俺に。


それだけで、一日頑張れる。



あいつに関しては、

俺はなんて単純なんだろうな。







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