「記憶」






「なにそれ」と言いたげに

引きつった笑みを浮かべている秋林先生を無視し

俺は仕事へと戻る。




仕事なんて、てきとうにすればいい。


力を抜いても

周りより早く丁寧に出来るのだから。





珈琲を飲みながら雑談を交わす教師達に

少し苛立ちを覚える。



仕事だって、やる気もでない。


生徒は馴れ馴れしい奴が多いし

上司や同僚だって、

平和ボケした連中ばかり………



あ、いや…平和ボケしていて

当たり前なのか……




この世界にゃ、

キルドはいないんだったな…




そう思い、死闘をくぐり抜けてきた

仲間達の顔を思い出し、

苦笑を浮かべて溜息を吐く。







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