「記憶」
こいつらは……幼い頃から友達で
まだ子供のうちに皆、家族を殺され
三人で支え合って生きていた。
そんな前世の影響からか、
今でもこいつら三人は
ずっと共にいるようだ。
…そういや、前にも
レヴェルにミラナの事で
一言言われた事があったか…
なんて考えていると、
工藤は肩に力を入れながらも話し始めた。
「先生は…っ、雅が何で
悩んでいるのか知ってるんですか!?」
確かに…最近のあいつは
前よりも顔色が悪くなった。
多分、また、眠れていないのだろう。
「雅は…昔から、抱え込んでばっかで…
でも、今回の事は一度、先生に雅は頼った」
「…………」
「あいつが悩んでる理由は何なんですか?
俺にとってあいつは、家族同然の存在なんです」
必死…そんな感じだった。
きっとこいつも同じだ。
俺と同じように、橘花が一人
悩んでいる姿を見るのが辛いんだろう。