「記憶」
え………?
私の刃が心臓を貫きキルドが倒れる。
そして、キルドが握る手から……
それは、その血はフランから吹き出ていた。
「…………」
キルドが、フランを握り潰したのだ。
「ふ、フラン…ッ!」
「う、嘘…そんな……」
「うぅ…っ」
後輩達の嘆きの声が聞こえる。
ぐしゃり…とありえない方向へ曲がり、
潰されている血だらけのフランを見て
私は目を見開く。
「おい……いい加減に、してよ。
なんで、握り潰した?」
死体となったキルドを蹴る。
何度も、何度も。
答えるはずがないと分かりながら
悔しさで、胸が詰まる。
あと少しで、助けられたのに……
また、助けられなかった