「記憶」






え………?




私の刃が心臓を貫きキルドが倒れる。



そして、キルドが握る手から……

それは、その血はフランから吹き出ていた。




「…………」




キルドが、フランを握り潰したのだ。




「ふ、フラン…ッ!」

「う、嘘…そんな……」

「うぅ…っ」



後輩達の嘆きの声が聞こえる。





ぐしゃり…とありえない方向へ曲がり、

潰されている血だらけのフランを見て

私は目を見開く。





「おい……いい加減に、してよ。
なんで、握り潰した?」




死体となったキルドを蹴る。

何度も、何度も。



答えるはずがないと分かりながら

悔しさで、胸が詰まる。





あと少しで、助けられたのに……




また、助けられなかった






< 68 / 95 >

この作品をシェア

pagetop