「記憶」
「おはよう、雅(ミヤビ)」
「おす」
「おはよう、拓馬(タクマ)、翔(ショウ)」
玄関の扉を開けると、
にこりと微笑む二人がいた。
彼らは小学校から仲が良くて、
何故か離れ難い存在で
現在の高校まで一緒にいるのだ。
何年もの習慣となった三人での登下校は
やはり頼まなくても
二人は私を迎えに来てくれる。
いつものように三人で登校して、
平和な学校生活を過ごして…
あの夢は最近読んだ
本かなにかの影響だ、
夢など、記憶の整理か
昔の記憶で生まれる
なんの意味もないものなのだから…
そう思っていたのに。