「記憶」
「そう、そうか…私は死んで……」
「言うな。俺のトラウマだ」
「……隊長…」
本当に辛そうな顔をしている彼に
私は苦笑いを浮かべて彼の頬を撫でる。
「では……もしかして、
これは現世でいう輪廻転生ですか?」
「…そういう事だ」
「あは…凄い。前世でも今世でも、
貴方と出会えるなんて」
単純に純粋に、凄いと思った。
あの世界の私は
死んでしまったようだけれど
彼に今会えてとても、嬉しかった。
「私…そっか、ああ、今度は
貴方を置いていかない。絶対」
「当たり前だ。俺こそ、もう離さねぇ」
微笑んで彼の背をポンポンと叩く。
なんだか…悲しい気持ちと
幸せな気持ちが胸に溢れて、
涙が一筋頬を伝った。