「記憶」
ああ、夢だ。
頭の中を駆け巡る、
断片的な記憶が脳裏を過る。
今日みた、怖い夢が
「もー、ミラナは幸せそうだなぁ」
微笑む女性
「これより、作戦を決行する」
叫ぶ団長
「おい、こっちを見ろ」
睨む彼
「せ、先輩!無茶しないで下さいっ!」
焦る彼らと彼女ら
「死ぬな…ッ、ミラナ…!」
泣き叫ぶ、彼
「う…ぁ…ッ」
頭が痛い。割れそうだ。
痛い。痛い痛い痛い痛い。
頭を抱えて膝を着く。
私の異変に気付いたのか、
人を掻き分けて拓馬と翔が
こちらにやってくる。
「おい、雅!しっかりしろ!」
「どうしたの、雅!誰か、先生を…ッ」
崩れ落ちる体を拓馬が支え、
翔が背中をさする。
「痛…ッぅ……ぁッ」
だめだ、
痛い。
周りが円になっていく。
視界が霞んで、声が遠ざかって
もう…だ……め…………