溺愛系と天然系が恋しました!
「あ、あ、あのですね?きーち先輩っ。」
「あのさ、美憂・・・。」
話しだそうとしたあたしの言葉に被せて、きーち先輩が話しだす。
「美憂は、別にイヤとかじゃないんだよな?」
イヤとかじゃないっていうのは・・・
それはアレの事ですよね?きーち先輩。
あたしは頬を赤く染めながらも、コクリと頷いて見せた。
でも、その勢いで続行されても困ると思って、きーち先輩の方に体を向けて話しだそうとしたんだ・・・けども。
きーち先輩はあたしの隣に座りなおして、あたしの手を取り微笑んだ。
「それが分かって、安心した。俺も初めてだし、焦る気持ちがあったんだ。怖がらせたかもしれない・・・。ごめんな・・・?」
あたしを気遣ってくれるきーち先輩のそのセリフが、あたしの涙腺を崩壊させていく。
拒否ってたんこぶを作らせてしまったのに、それでもあたしの事を想ってくれている。
本当はたんこぶよりも、きーち先輩の気持ちに大打撃を食らわせてしまったはずなのに。
そんな優しいきーち先輩の腕に絡みついたあたしは、その腕に頬を摺り寄せた。