溺愛系と天然系が恋しました!
「…んっ!ぃーちぇんぷぁいっ!むぁっふぇっ!」
(きーち先輩っ!待って!)
「…喋んなよっ。」
「むぁっ…ふぇ!ぃーとぇ…くわふぁいっ!」
(待っ…て!聞いて…下さいっ!)
「……クソッ!もうっ!何だよっ!!淋しいとか、会いたいとか、キスしたいとか思ってんのは俺だけかよっ!!美憂、秘書検終わったんじゃないのか?!頑張ったね!とかの抱擁とかあってもいいだろっ?!」
「…ちょっ!落ち着いて下さいっ!」
「落ち着いていられるわけないだろっ!1週間も会えないし、メールや電話は拒否られて…。俺は、こんなに美憂でいっぱいなのにっ!俺の事好きじゃなかったのかよっ!…美憂の薄情者っ!!」
「……。」
何なんだろう、この感じは?
自分が女ったらしの男になった気分というか…。
きーち先輩の反応が、少し面倒臭い。
好きだけど、大好きなんだけど、
あたしも会いたかったし淋しかったけどっ!
「…きーち先輩、ウザいですっ。」
--…って
あ゛ーーーーーーーっっ!!
余計な事言っちゃったよーー!!
そんなあたしの言葉を聞いたきーち先輩は…
「…美憂のバカっ!!!」
と叫んで、階段を駆け下り逃げてしまった…
そ…それは、
「あたしの役じゃないんですかーーー?!」
と叫びつつ、あたしは大口を開けたまま、
寒空の下を暫く立ち尽くしていた…。