溺愛系と天然系が恋しました!
ラブラブチュッチュどころか、
あたしはヒュー…ドロドロ~…で、
きーち先輩においては、悶々苛々…
…なんだろうなぁ。
そんな風に、普段よりもどっぷりと、
一人の世界で会話をしているあたし。
慣れ親しんだ通学路を確認することもなく、
体は勝手に家路へと向かう。
だから、誰かに話し掛けられたとしても
そう簡単に気付くわけもなくて…。
「ねぇねぇ!キミ、一人だよねー?」
「…きーち先輩も一人で悩んでるのかな?」
「おーい!俺らの話、聞いてるぅー?」
「…あたしの話、今度は聞いてくれるかな?」
「なになに?!聞いてあげるよー!!」
「…ていうか、どうやったら上手く操縦出来るのかな?暴走したら止めるの大変だし。」
「暴走?!ウヒョー!俺ら頑張っちゃうよっ。止めなくても大丈夫!」
「…きーち先輩の【操縦士検定】が、あればいいのに。教科書とか、取説とか、参考書とか。そしたらこんな喧嘩なんかしなかったのにっ…。あーーーー!!もうっ!!」
そう叫ぶと同時に、
両腕を勢い良く振り上げれば…
---ゴスッ!!
「う゛っ!!」
「げふぅっ!!」
「アーウチ!!」
あたしの周囲からは、数人の呻き声。
自分の両拳に走る鈍い痛み。
そこで、漸くあたしは【こっちの世界】に
戻って来たんだ…。