溺愛系と天然系が恋しました!

鼻血男が拳を握りしめて、一歩踏み出したその時…。


「…おい。何やってんだよ?」


と、あたしの背後から聞き慣れた声が響いた。
急に胸が締め付けられ、それに釣られる様にして目頭が熱くなる。

その人の名を呼ぼうと振り返った、…ら。


「…柳田っ!」
「…太一君っ!!」


鼻血男と一緒に、
彼のフルネームを言ってしまった…。

あっ!ていうかっ!!


「柳田と知り合いなのかっ?!」
「太一君のお友達なのっ?!」

げっ…
またハモってしまった…


鼻血男と一緒になってゲンナリしていると、
それが余程面白かったのか…

きーち先輩の弟である【太一君】は、
ケタケタと笑いながら言ったんだ。


「ぷっ…ククク!!鼻血コンビは、息も合うんだな?」


こんなのとコンビ?!
って、いやいや、
確かにあたしもこの前
鼻血を出しましたけれどもっ!


「一緒にすんなっ!!」
「一緒にしないでっ!!」


――― どうやら、同類らしいです…



< 129 / 161 >

この作品をシェア

pagetop