溺愛系と天然系が恋しました!
鼻血男が拳を握りしめて、一歩踏み出したその時…。
「…おい。何やってんだよ?」
と、あたしの背後から聞き慣れた声が響いた。
急に胸が締め付けられ、それに釣られる様にして目頭が熱くなる。
その人の名を呼ぼうと振り返った、…ら。
「…柳田っ!」
「…太一君っ!!」
鼻血男と一緒に、
彼のフルネームを言ってしまった…。
あっ!ていうかっ!!
「柳田と知り合いなのかっ?!」
「太一君のお友達なのっ?!」
げっ…
またハモってしまった…
鼻血男と一緒になってゲンナリしていると、
それが余程面白かったのか…
きーち先輩の弟である【太一君】は、
ケタケタと笑いながら言ったんだ。
「ぷっ…ククク!!鼻血コンビは、息も合うんだな?」
こんなのとコンビ?!
って、いやいや、
確かにあたしもこの前
鼻血を出しましたけれどもっ!
「一緒にすんなっ!!」
「一緒にしないでっ!!」
――― どうやら、同類らしいです…