溺愛系と天然系が恋しました!
太一君は満足いくまで笑った後、漸くあたし達に向き直ってくれた。
「…ハハッ。てかさぁ?どうせ斉藤達が先に手ぇ出したんじゃねぇの?」
「いや、俺は何も…。あいつ等が勝手にナンパしだしてよぉ…。」
「んー、でもよお?斉藤。お前、その拳で何をしようとしてた?女相手に。俺の見間違いだったら訂正しろよ?」
太一君にそこまで言われた【斉藤】君という鼻血男は、
『でもよぉ…そいつ…』
と、言い訳をしようとしていたんだ。
多分、あたしが空手やら合気道やらの手練れだっていうのを言いたかったんだと思う。
だけど、太一君がその言葉すら制した。
「サイテーだね?…お前。」
「まっ、待ってくれよ柳田っ!!」
「来んな鼻血ヤロー。おい。鼻血女は来いっ。」
えっ?!
このタイミングで呼ばれるの?!
てか、鼻血女って呼ぶのはやめてーーーーー!
「や…柳田…。まさかお前、この女が好きとか言わないよな?」
「はっ?俺は鼻血出すヤツには興味ねぇよ。」
「そか…。よ、良かった…。」
「ばぁーか。お前も一緒だ。」
「待ってくれ!柳田!俺を嫌いにならないでくれぇぇぇ!!もう鼻血も鼻水もウ○コも出さねぇからっ!!!」
「…いつの時代のアイドルだ。お前。」
え、えっと…
どのタイミングで太一君に近寄れば…
…いいのかな?