溺愛系と天然系が恋しました!
赤面したままのきーち先輩に引き連れられて来た先は、壁一面ゾウリムシ柄のリビング。
そして、何故か笑いながらの太一君も、ふてくされている忠犬を引き連れて来たんだ。
何で二人までリビングにっ!!
ま、まさか…
私が余計な事を言わないか監視するためですかぁあぁ?!
…あれ?
そう言えば、ご両親の姿が見えない。
「きーち先輩?ご両親は…」
「ああ。二人とも結婚式に行ってる。」
「そうなんですか。」
ご両親は居ないんですね。
それなら、今すぐにでもこの場から離れたい。
別に二人きりになりたいだけじゃなくて…
とにかくっ!!
ひたすら含み笑いをしている太一君や、未だにあたしを睨み続けている忠犬とは居たくないっ!
きーち先輩のシャツの裾を掴み、ツンツンと引く。
それに気付いたきーち先輩があたしに顔を近づけると、あたしは目の前に座る二人には聞こえないように耳打ちした。
「…あたし…。
きーち先輩のお部屋に、早く行きたいです。」