溺愛系と天然系が恋しました!
何に驚いたのか、きーち先輩は突然立ち上がり、驚き顔をしたまま私を見下ろす。
「み、美憂…っっ!!ちょ、それはっっ!!」
突然立ち上がられただけでもビックリしたのに、そんなに顔を真っ赤にさせながら
『それはっ!!』
と言ったきーち先輩に、あたしの方が驚いた。
…ていうかですね。
このパターン、いつだか経験したような気がするんですっっ!!
こうやって赤面顔をしながら慌てる時は大抵
エッチな方向に考えているわけで…っっ!
あれ…あたしってば凄くない?
少しずつきーち先輩を攻略していたんですね?!
嬉しいっっ…!
…ようやくレベルアップした気分ですっ!!
きーち先輩の言っている
『それはっっ!!』は、あれの事ですねっ?!
「きーち先輩っ!
あ、あたしは…スるとかシないとかじゃなくて、勉強したいだけなんですっ!」
あたしがそう言うと、きーち先輩は予想外の台詞を言い出した。
「お、俺っ!!…持ってないから!!
洋モノだなんてっっ!!」
たった今感じたばかりのあたしの嬉しい気持ちは、ガラガラと崩れ落ちていく。
きーち先輩は強敵なのかもしれません…