溺愛系と天然系が恋しました!



何に驚いたのか、きーち先輩は突然立ち上がり、驚き顔をしたまま私を見下ろす。



「み、美憂…っっ!!ちょ、それはっっ!!」



突然立ち上がられただけでもビックリしたのに、そんなに顔を真っ赤にさせながら
『それはっ!!』
と言ったきーち先輩に、あたしの方が驚いた。


…ていうかですね。
このパターン、いつだか経験したような気がするんですっっ!!


こうやって赤面顔をしながら慌てる時は大抵
エッチな方向に考えているわけで…っっ!


あれ…あたしってば凄くない?
少しずつきーち先輩を攻略していたんですね?!
嬉しいっっ…!
…ようやくレベルアップした気分ですっ!!

きーち先輩の言っている
『それはっっ!!』は、あれの事ですねっ?!


「きーち先輩っ!
あ、あたしは…スるとかシないとかじゃなくて、勉強したいだけなんですっ!」


あたしがそう言うと、きーち先輩は予想外の台詞を言い出した。


「お、俺っ!!…持ってないから!!
洋モノだなんてっっ!!」


たった今感じたばかりのあたしの嬉しい気持ちは、ガラガラと崩れ落ちていく。


きーち先輩は強敵なのかもしれません…



< 153 / 161 >

この作品をシェア

pagetop