溺愛系と天然系が恋しました!
プロローグ
あたしの憧れの先輩。
【柳田輝一】通称『きーち』先輩。
先輩は、校内①のイケメン。
少し茶色がかった髪は地毛で、前髪は長め。
パッチリ二重の優しい目。
スッと通った鼻筋。
薄い唇から、笑った時に見える白い歯。
その容姿にクールな雰囲気は、童顔のあたしからは羨ましい限りだった。
それから…
先輩とあたしは同じテニス部。
先輩の俊敏で無駄の無いプレイスタイルに憧れていたんだ。
150㎝のあたしが、178㎝の先輩の真似なんかとても出来るわけもなくて…。
ただ、ただ、尊敬の眼差しを向けることしか出来なかった。
男子テニス部と女子テニス部は、3コートずつ使用しているけれど、その間には仕切りのネットがあって、なかなか話す機会もなかった。
そんな中、先輩に、
『小さいのに、走るのは速いんだね?』
と話しかけられた時は、周りのひがみ声も耳に入らないくらい舞い上がったんだ。
そして、先輩は…
あたしの好きな人…