溺愛系と天然系が恋しました!

そんなあたしの勝手なブルーな気持ちに
きーち先輩は気付く素振りも無くて
満面な笑みを浮かべながらあたしに話しかける。


「美憂、今週末の土曜日俺ん家、来る?」


「へっ?!行っていいんですか?!」


さっきまでの重い気持ちは、あっという間に飛んでく。


あたしって何て単純なんだろう?!
でもでも!!
初めてきーち先輩の家に行けるんだ!

ど、ど、ど、どうしよう?!
菓子折り必要かな?
ここは【常識のある女の子】って、ご両親に思われたい!

和菓子かな?!洋菓子かな?!


両手を両頬に当ててキャーキャー言いながら
クルクル回ってスカートを揺らしていると、
先輩は溜息をつきながら


「ねぇ、美憂。・・・帰って来いよ。」


と、そう言った。


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