溺愛系と天然系が恋しました!

先輩と降りる駅に着くまでの間、あたしはきーち先輩の手で口を塞がれたままだった。


なんでですか・・・きーち先輩・・・?!

これ以上、俺に恥をかかせんじゃねぇーよ!
って、そういう事なんですか?!


その駅で降りた他の乗客は、改札口に向かう為に階段を上り始める。

だけど、きーち先輩はあたしをホームのベンチに座らせて、自分もその隣に腰掛けた。

きーち先輩の顔はまだ赤いままで、両手を口元に当てたと思ったら
『はぁー・・・参った・・・』
と、溜息交じりにそう言ったんだ。


そ、そんなに恥ずかしかったんですか・・・


あたしも先輩に続いて溜息をついた後、
『きーち先輩。恥ずかしい思いをさせて・・・すみません。』
そう謝りながら、小さく頭を下げて見せた。


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