溺愛系と天然系が恋しました!
あたしの返事に満足したのか、妖しい笑顔のままだったけど・・・
きーち先輩はベンチから腰を上げて、あたしの手を握って歩き出した。
こんな強引なきーち先輩は滅多に見れない。
というか、文化祭以来。
大事に大事に・・・甘やかされた付き合いをしていたからか、必要以上にドキドキとしてしまったんだ。
この後、どうなるのか一抹の不安を感じるものの、ちょっと俺様的なきーち先輩も、カッコイイなぁ~って見惚れてしまう。
それに、念願の『手を繋いで歩く』事が出来て、ホントにホントに嬉しかったんだ・・・
てっきり、近くの自動販売機で飲み物を買うのかと思っていたんだけど、きーち先輩はあたしの手を引いてどんどん歩いて行く。
もしかして自宅が近いから、急いで行くつもりなのかな?
とか、そう思いながら、あたしは黙って先輩の手に引かれるままに歩いていた。