溺愛系と天然系が恋しました!
そんな諦めの悪いあたしに、切り換えの早い香苗は、
『んな溜め息ばかり、やめな?
…お客も来ないし、休憩しなよ。
購買のおばちゃんが”好きなもの1個、ただで食べていいからね?”って言ってたし、
何か選びな?
…ていうか、美憂が沙希の代わりに入ったんでしょ?
断れなかった自分が悪いんじゃない。』
と、そう言ってあたしを休憩スペースに促した。
休憩スペースのパイプ椅子に腰掛けて、あたしは自分が選んだコーヒーゼリーを手にしたまま、また溜め息をついた。
香苗の言う通り、沙希の代わりを引き受けたのはあたし。
だって、
『彼氏と文化祭廻りたいんだ…』
なんて言われて、
『嫌』
なんて言えなかったんだもん…。
「はぁ…。彼氏かぁ…。
あたしには、いつ彼氏が出来るんだろ?
…きーち先輩、もう着替えた頃だよね…。」
そう呟いた後、また一つ溜め息をついた。