溺愛系と天然系が恋しました!

―― 数分後


あたしの居るこの部屋の戸が開いて、お母様ときーち先輩が入って来た。


「美優?!鼻血は大丈夫か?!」


きーち先輩は、鼻にティッシュを突っ込んだままのあたしに抱き付く。


鼻血でのお母様とのご対面。
鼻血するあたしに抱きつくきーち先輩。

もう、開き直るしかないというか、
『鼻血は大丈夫か?!』
だなんて言われる自分が情けなくって
『・・・大丈夫です』
としか言葉を返せなかった・・・。


「輝一がイタズラするからいけなんでしょ?本当に、美憂ちゃんごめんなさいね?」


「えと・・・いえ、大丈夫ですっ!」


「パパが書斎にいるから、呼んでくるわね?あ。太一も呼んでくるわ!家族を紹介したいし、美憂ちゃんも会いたいでしょう?」


ご家族にご紹介キタ――――――――!!!!


あたしはご両親にご挨拶だけ出来ればいいと思って来ていたから、ちょっとタジタジになっちゃったけど、
『いや、いいです・・・』
だなんて言える雰囲気でもなくって、あたしは・・・


「はいっ!ご挨拶したいです!!」


と、元気良く返事をしてしまったんだ。



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