新撰組と妖狐ちゃん!


冬場は凍え死ぬから、
宿屋に泊まったりするけど、
今は春だし、そこら辺の木の上とかで寝ている。


だから、今日も良さげな木を探しているんだけど…


「木、木…。…お。」


歩いていると、昼間に見かけた
大きな満開の桜の木を見つけた。


木のそばまで行って見上げると、
幹も太いし、頑丈そうだし、
何より景色が良さそう。


此処にしようかなーと考えていると、
ふと背後に何人かの人の気配を感じた。
そして、


「おい、そこのクソガキ、動くなよ?」


カチャ


鞘から刀を抜く音がした。


…はぁっ…
またかよ…


あたしは溜息をつき、言った。

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