新撰組と妖狐ちゃん!


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「まぁ、あたしの事はこんなもんかな」


あたしが話終えると、
誰かのグスンと泣いている声が聞こえた。すると、


「日向くんっ!私たちを家族だと思っていいんだからね!!」


何故か号泣している近藤さんに
抱き上げられ、フワッと抱きしめられた。


「え、あ、ちょっ、近藤さん!?」


あたしが動揺していると、


「そうだぜ、俺らは家族だ!」


「此処は皆家族なんだかんな!」


「案ずるな、
誰もあんたを利用などしない」


「そうですよ、とっくにあなたは
私たちにとって大切な家族なんですから」

「私なんて日向くんを娘のように思ってましたよ?」


「勝手にいなくなろうとかすんなよ!?」


「そうだよ?次勝手にいなくなったりしたら、どうなるか分かってるよね?」


皆が口々に言う。


…温かい言葉の中に、
一人だけ脅迫まじりの言葉が聞こえた気がするのだが。


「要するに、お前は俺たちに守られときゃいいんだよ。何も考えずに此処に居ればいい。」


…何処をどう要したらそうなるんだ土方。
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