新撰組と妖狐ちゃん!


土方はしゃがんで、
あたしの顔を覗き込んだ。


そして、


「おらよ。」


あたしの目の前に団子を出した。


なんか、負けを認めたようで癪に触るが、それより甘味が大事なので、


「…ちっ。返せよ。」


そう言って、手を伸ばしたが、


スカッ


「は…?」


パクッ


団子はあたしの手には戻らず、
土方の口の中へと入っていった。


…つまり、団子を食べられた←


…。


「うわ、甘…。マズ…」


顔を思いっきりしかめた土方。
その瞬間、


ブチッ


ついにあたしの頭の何かがキレた。


…勝手に団子を食べたうえに、
マズイだと…?


「テメ…いい加減に…!…ッ!?」


あたしは怒鳴ろうと思ったが、
不発に終わった。
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