新撰組と妖狐ちゃん!
土方side
日向の刀を弾き飛ばして、
日向に刀を突きつけた総司。
何でこいつらが戦ってんだ!?
部屋の隅には見知らぬ男。
…あいつが、敵なんじゃないのか!?
そんなことを考えていると、
「!?総司!!」
総司がへなへなと座り込んてしまった。
駆け寄ると、全身傷だらけだ。
こいつがこんな怪我をするなんて滅多にないのに…
対して、日向は全く無傷。
刀を突きつけられたまま、
無表情で俺たちを見下ろしていた。
こいつのこんな顔は見たことがねぇ…
こんなに感情もない冷徹な表情をしているのに、綺麗だとか思ったのは、
俺の頭はいよいよ馬鹿になったのだろうか。
「…っ」
月明かりに照らされる日向は、
怖いくらいに美しかった。
紅く輝く目から視線を外せない。
思わず見惚れていると、
部屋の隅にいる男が喋った。
「何をしているのですか?
何人が増えようが、貴女には及びません。はやく、『殺りなさい。』」
「!?」
何を言ってんだあの男は!?
日向がそんな事するわけ…
すると、刀を突きつけられているのにも関わらず、日向は無言で落ちた刀を拾い、
カチャ
「!?…何やってんだテメェは!?」
…俺たちにその切っ先を向けた。