新撰組と妖狐ちゃん!


それから数分そんな事が続いて、
ついに、


「はぁっ…はぁっ…」


俺の体力に限界がきてしまった。


身体中に入った傷から大量の血が流れたせいか、視界がぼやけてきた。


身体も焼けるように熱いし、
立っているのもだいぶ辛い。


俺は一旦体勢を整えるべく、
日向から距離をとった。


けれど、日向は攻撃の手をやめない。


体勢を整えきる前に、
日向の刀が天井へと向いた。


「…ちっ。」


容赦ねぇなこいつは。


俺は次に振り下ろされるであろう刀を見て、受けの姿勢をとった。


が。


その瞬間、眩暈が俺を襲った。


歪む視界の中、なんとか刀を受け止めたが、力が入らず、


ザシュッ


「…っっ!!」


日向の刀が俺の左肩を斬った。


その瞬間、


激痛に顔を歪めながら動いたのは
俺の刀を持った右手。


これは人間の本能なのか。
命の危険を感じたんだろう俺は、
斬られた瞬間、


ザシュッ


日向に向かって刀を振り下ろしていた。


気づいた時には、


「…!!??」


日向の肩からお腹にかけて、
服が真っ赤に染まっていた。


つまり、


…日向を斬った。
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