新撰組と妖狐ちゃん!
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「っ!?」
突然、
肩からお腹にかけて走った激痛と、
「!?ごめん!!!」
焦ったような声に
あたしは目を見開いた。
「…え…なん…で…」
気がつくと、
目の前には衝撃的な光景が広がっていた。
床や壁は沢山の血で赤く染まり、
傷だらけの沖田が倒れていて、
そして、
…身体中傷だらけになった土方に
あたしは刀を向けていて。
カラン、とあたしの手から刀が落ちた。
変化がスーッと解け、
わなわなとあたしの身体が震え始めた。
別に傷が痛いとかじゃない。
怖くなったんだ。
こいつらの信用を失う事が。
…こいつらを傷つけてしまったあたし自身が。
「日向、元に戻ったのか…!?」
そんなあたしの様子を見て
土方が驚いたような顔をした。
「!?」
そうだ、
あたしは楓月に術をかけられて…
あたしはバッと後ろを振り返ったが、
そこには既に楓月の姿はなかった。
あんな奴に操られたのが悔しくて、
操られてこいつらを傷つけてしまったのが悔しくて、
そして何より、
…仲間を斬ってしまった事が悲しくて。
「ごめ…んなさ…い…。ごめん…な…さい。」
目からはポロポロと涙が溢れた。