新撰組と妖狐ちゃん!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ヒュゥウゥゥウウゥー…


シュダッ!!←


ドンッ←


「いっ…たぁ!!!」


本当は華麗にシュタッと降りるつもりだったが、怪我のせいで、なんとも間抜けな着地となってしまった←
しかも、尻もち付き←


…流石に無理があったな(苦笑)


今の衝撃のせいで、
傷がさらに開いてしまった←


でも、今はそんな事より、


「日向っ!!!!」


「っ!!」


此処から離れなきゃ…!!


あたしは暗闇の中を無我夢中で走った。
いく宛も無いのに、とにかくあいつらから自分を遠ざけたくて。


別に新撰組が嫌いになった訳じゃない。
むしろ、好きだ。


…そう。


家族みたいな奴らだった。


あたしは家族を殺されて人を恨んできた。


けれど、
そのあたしが家族を斬ってしまった。


矛盾してるじゃん?


…そうなんだよね。


あたしが、恨むだ何だ言える立場じゃない。


仲間だとか家族だとか言える立場じゃないんだ。


仲間や家族を大切にしてるあいつらと一緒に居ちゃいけないんだ。


…あたしは、
あいつらみたいに強くないから。


仲間や家族を守れるほど強くないから。


「はぁっ…はぁっ…」


だいぶ走っただろうか。


まだ夜だから真っ暗で、どれくらい進んだか、此処は何処なのか、全く分からない。


しかし。


考え事をしていて気づかなかったが…


グラッ


どうやら、あたしの体内の血は
ほとんど外へと流れてしまったようだ。


突然、強烈な眩暈が襲い、
身体のバランスをくずした。


「ハハ…」


こんなところで死んじゃうのかな。


乾いた笑いが出て、地面へと倒れた。


眠いなぁ…


あたしは本能に任せ、
重たくなった瞼を閉じた。


これからどうなるんだろ…。
…というか、起きたらもう地獄だったりして(苦笑)


それから意識が無くなったのは
すぐの事だった。
< 636 / 715 >

この作品をシェア

pagetop