新撰組と妖狐ちゃん!


土方side


「くっそ!!」


暗くて下が見えねぇ!!


俺はまだ寝ている総司をほおって←
一階へと駆け降りた。


すると、もう御用改めが終わったようで、隊士達が後片付けをしていた。


その中には近藤さん達もいる。


「トシ!大丈夫だったか!?」


俺の姿を見つけた近藤さんが声をかけてきた。


「大丈夫だが、大丈夫じゃねぇっ」


そのまま外へと駆け出す俺に、


「どっちなんだ…?」


近藤さんは首をかしげていた←


「日向!!!!」


池田屋の外へ出てきたが、
居るのは、平隊士たちばかり。


日向の姿が見当たらない。


まさか…!!!


俺は一瞬、最悪の状況を思い浮かべて、
さっき日向が飛び降りた窓がある辺りへ移動した。


が。


「いねぇ…」


そこにも日向の姿はなかった。


とりあえず、日向が最悪の状況に陥ってなかった事に安堵したが…


あの怪我で何処に行きやがった…!!!


あいつにはいく宛も無いのに…。


しかも、今は夜中だ。
危険な輩もうろうろしている。


普段の日向なら、襲われてもやり返して帰ってくるだろうが、


今のあいつは怪我をしているし、
あいつは刀を池田屋に置いてったままだ。


つまり、丸腰。


いくらあいつでも、
あんな状態じゃ無理だ。


「くそ…!!!」


辺りを探し回っていると、
日向のものと思われる血が所々に落ちていた。


「…!!」


あの怪我じゃそう遠くへは行っていないはずだ。


俺はそれを辿っていったが、
血のあとは途中で途切れていた。


結局、日向を見つけられないまま、
京の町は朝を迎えた。


…何処行ったんだよ、日向…


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