新撰組と妖狐ちゃん!


「え、でも、お店の人に悪いし…」


何度も言うが、もう既に一週間もお世話になっている←


さすがにこれ以上迷惑かける訳には…


あたしが、丁寧に断ろうとすると、


「ここのお店の人は優しいから大丈夫!
ちょっと頼んでくるね!!」


そう言って、鈴ちゃんは部屋を出て行ってしまった←


一人、部屋に取り残されたあたし。


頼んでくるね!!
…って、確かに置いてもらえるのは有難いんだけど…


やっぱり、
迷惑かける訳にはいかないや。


「よし。」


あたしは一言気合を入れて、
こっそりおいとましようとしたが、


そろ〜っと窓を開けようとした途端、


「日向ちゃん!OKだってー!!
…って何してるの??」


「(ギクゥッ!)い、いや、外の景色でも見ようかなー、と。」


鈴ちゃんが戻ってきた←


つーか、どんだけ交渉速いんだよ…


「ダメだよ、まだ怪我ちゃんと治ってないんだからっ。布団で寝てないとっ」


そう言って、あたしをグイグイと布団に戻す鈴ちゃん。


「いや、もう塞がってるしっ、
全然動けるしっ。
寧ろ元気過ぎて困るしっ←」


「ダメッ、ほら戻って戻って。」


…意外と強引である。


「この部屋使っていいって言ってたよ!
良かったね日向ちゃん♫」


「あ、うん、ありがと…」


仕方なく布団に戻ったあたしは
ハハ…と苦笑いした。


また人にお世話になるのかー…


なんて、考えていると、
部屋の襖がスーッと開いた。


鈴ちゃんは此処にいるし、誰だろう?
と、そちらの方を見てみると、


「目、覚めはったんやねっ!
傷のほうはどう?」


とっても綺麗な女の人が入ってきた。


「あ、はい。お陰様で。」


と、答えたものの、
誰だろう?と首をかしげていると、


「私の事情も知ってるし、
日向ちゃんの事OKしてくれた人だよ!」


妖怪って事は知らないけどね(笑)
と、鈴ちゃんが耳打ちしてきた。


「すいません、見ず知らずの者を置いていただけるなんて…」


ありがとうございます。
と、あたしは女の人に頭を下げた。


「いいんよ、困った時は助け合わんとねっ!うちは、椿ゆうんや。よろしゅうね?」


「よろしくお願いします!」


ふわっと綺麗な笑みを浮かべる椿さん。


す、素敵すぎるっっ!←


きっと世の中の男は、
鼻血出してぶっ倒れるだろうなぁ…←
< 642 / 715 >

この作品をシェア

pagetop