新撰組と妖狐ちゃん!
「え、でも、お店の人に悪いし…」
何度も言うが、もう既に一週間もお世話になっている←
さすがにこれ以上迷惑かける訳には…
あたしが、丁寧に断ろうとすると、
「ここのお店の人は優しいから大丈夫!
ちょっと頼んでくるね!!」
そう言って、鈴ちゃんは部屋を出て行ってしまった←
一人、部屋に取り残されたあたし。
頼んでくるね!!
…って、確かに置いてもらえるのは有難いんだけど…
やっぱり、
迷惑かける訳にはいかないや。
「よし。」
あたしは一言気合を入れて、
こっそりおいとましようとしたが、
そろ〜っと窓を開けようとした途端、
「日向ちゃん!OKだってー!!
…って何してるの??」
「(ギクゥッ!)い、いや、外の景色でも見ようかなー、と。」
鈴ちゃんが戻ってきた←
つーか、どんだけ交渉速いんだよ…
「ダメだよ、まだ怪我ちゃんと治ってないんだからっ。布団で寝てないとっ」
そう言って、あたしをグイグイと布団に戻す鈴ちゃん。
「いや、もう塞がってるしっ、
全然動けるしっ。
寧ろ元気過ぎて困るしっ←」
「ダメッ、ほら戻って戻って。」
…意外と強引である。
「この部屋使っていいって言ってたよ!
良かったね日向ちゃん♫」
「あ、うん、ありがと…」
仕方なく布団に戻ったあたしは
ハハ…と苦笑いした。
また人にお世話になるのかー…
なんて、考えていると、
部屋の襖がスーッと開いた。
鈴ちゃんは此処にいるし、誰だろう?
と、そちらの方を見てみると、
「目、覚めはったんやねっ!
傷のほうはどう?」
とっても綺麗な女の人が入ってきた。
「あ、はい。お陰様で。」
と、答えたものの、
誰だろう?と首をかしげていると、
「私の事情も知ってるし、
日向ちゃんの事OKしてくれた人だよ!」
妖怪って事は知らないけどね(笑)
と、鈴ちゃんが耳打ちしてきた。
「すいません、見ず知らずの者を置いていただけるなんて…」
ありがとうございます。
と、あたしは女の人に頭を下げた。
「いいんよ、困った時は助け合わんとねっ!うちは、椿ゆうんや。よろしゅうね?」
「よろしくお願いします!」
ふわっと綺麗な笑みを浮かべる椿さん。
す、素敵すぎるっっ!←
きっと世の中の男は、
鼻血出してぶっ倒れるだろうなぁ…←