新撰組と妖狐ちゃん!
「よし、じゃあ行ってみよー!!」
「え、何処に行くんすか鈴ちゃん。」
身支度が終わったあたしの手を引っ張り、何処かへと連れていく鈴ちゃん。
あたしが聞くと、
「え?もちろん、お座敷!」
物凄い笑顔で鈴ちゃんが言った。
…。
「…いや、もちろんじゃないでしょ!!
え、こういうのって、言葉遣いとか作法とか教えてもらってからやるんじゃないの!?」
椿さんがさっき使ってた、
京言葉みたいな奴!!
「そんなの見よう見まねでいいんだよっ
顔がいいんだから大丈夫!!
…って、椿さんが言ってた!!」
椿さんんんんんんんん!!!!!
適当すぎるよそれは!!!
あたし何をやらかすか知らないよ!?
お座敷の中、戦場の如く血塗れになるかもよ!?お客さんの!!←
あたしが、無理無理無理無理!!!
と、その場で踏みとどまっていると、
「大丈夫だよ!私なんて、人を殺す目的できてるんだからっ。少々、血塗れになったって問題ないもんっ!」
「それ、少々どころじゃないでしょ!!!」
鈴ちゃんがあたしの背中をグイグイと押す。
鈴ちゃん、やっぱり強引ですね…
そして、お座敷に近づくにつれて、
どんどんお酒の匂いが漂ってくる。
そういや、前に、
お酒飲んで何かをやらかしたんだよな…
そっちも心配なんだけども←
「あ、そういえば名前どうする??
本名使っちゃいけないからさっ
私はね、小夜って名前なの!!」
鈴ちゃんがグイグイ押しながら聞いてきた。
小夜って…
可愛い名前だなぁ←
「名前ねぇ…」
うーん、とあたしは考え、
思いついたのは、
「…じゃあ、杏子で。」
「杏子!可愛い名前!!」
そういや、前に古高の前でそう名乗ったからそれでいいやって思ったのと、
また、甘いものが食べたくなったから←
何気に気に入った名前だったのだ←