新撰組と妖狐ちゃん!
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「誰もいないねー。」
「いや、居たら困るからね!?←」
新撰組屯所前に着いたあたしたち。
真夜中なので、門番もいない。
へぇー、此処が新撰組がいるところかぁー!、と興味しんしんな鈴ちゃん←
「じゃあ、お邪魔しまーす!」
そう言って鈴ちゃんは門を開けようとした。
が、
…。
「…あれ?閉まってる?」
当たり前に、
門は閉まっている←
開いてたらまじで馬鹿だよ、うん。
少なくとも新撰組が馬鹿じゃなくてよかったよ、うん。
…まぁ、幹部は馬鹿が多いけどな←
「まぁ、門が閉まってても、「私たちには関係ないよね♫」って、ちょ!」
鈴ちゃんがあたしの腕をぐいっと引っ張り、地面をトンッと蹴った。
そして、あっという間に、
あたしたちは門の屋根の上へと飛び乗った。
妖怪だからそんなの朝飯前だ。
特に、あたしたちみたいな、
猫や狐の獣系の妖怪だったら尚更。
…チッ、カッコ良く飛び乗ってやろうと思ったのに←
あたしは密かに舌打ちをした←
鈴ちゃんに先を越されて、
何とも間抜けな飛び乗り方だった←
まぁ、それはともかく。
「刀は何処だー」
あたしはその場で、
屯所を見渡して、刀を探し始めた。
もちろん、刀が見える訳じゃない。
刀から出る、
あたしと同じ妖気を探してるんだ。
下手に動くよりも、
その方が断然いいでしょ?
それに、早く見つけないと、
こんな真夜中でも起きてる馬鹿がいるかもしれないし…。
そして、あたしと同じ妖気が、
ある部屋から感じ取れた。
…。
「日向ちゃん、あそこかなぁ?」
鈴ちゃんも気付いたようで、
あたしと同じ場所を指した。
…チッ。
「よりによって、真夜中でも起きてる馬鹿のとこじゃねぇかよ…。」
屯所内で、
一室だけ明かりがついている部屋。
そこは紛れもない、
…土方の部屋だった。