新撰組と妖狐ちゃん!
「…。」
…どーするよ。
なんでよりによって、
あいつの部屋なんだよ…←
あたしが、思いっきりしかめっ面をしていると、
「鈴ちゃん、れっつごー!」
「おわっ!?」
そんなあたしの顔に、全く気づいていない鈴ちゃんが、またもや腕をぐいっと引っ張り、トンッと屋根を蹴った。←
「コソッ…(ちょ!鈴ちゃん!いきなり危ないって!)」
「コソッ…(だってこういうの忍者みたいで楽しいんだもん♫)」
…。
楽しむなぁああああ!!!
あたしは結構シリアスで来てるんだからぁああああ!!
…で。
何とか足音を立てずに着地したのは、
…土方の部屋の襖の真ん前←
「…。」
…何つー場所に着地してんだぁああ!!
忍者でもこんな危険なとこに着地しないわ!!!
と、叫べる訳もなく。
さっきみたいにコソッと耳打ち出来る訳でもなく。
「(何やってくれてんの鈴ちゃんんん!!!!)」
口パクで必死に訴えた←
妖怪の気配なんて人間が気づくわけないけど!
たった今、着地をミスってたら、
即終わってたよ!?
あたしが、物凄く焦っていると、
「(大丈夫だよ〜、ほら!)」
全く危機感の無い鈴ちゃんの目線の先には、襖の隙間。
そこから中を覗いてみると、
「…あ。」
机に突っ伏して寝ている土方の姿が。
スー…
疲れているのか、爆睡していて、
襖を開けても全く気づかない。
…ん?襖を開けた?
「…鈴ちゃん、危険だとは思わないの…」
鈴ちゃんが何の躊躇いも無しに
襖を開けていた←
「ほら、寝てるしー…大丈…キャっ!」
「鈴ちゃんんんんん!!??」
言わんこっちゃないいい!!!
またまた躊躇いも無く部屋に入ろうとして、襖の溝でつまずいた鈴ちゃん←
咄嗟に腕を掴んだからいいものの…
ブワッと吹き出た冷や汗を拭っていると、
「んー…」
土方がモゾモゾしだしたああああ!!
あたしはサーッと血の気が引いていくのを感じた←
お、起きるな土方!
起きたら殺すぞ土方!
お願いだから、永眠しとけ土方あ!
(それ、もう死んでるw)