新撰組と妖狐ちゃん!
そんな必死の願い(殺気w)が通じたのか、
「…。」
土方は再び夢の中へと戻っていった←
はあああああー…
あたしは心の底から溜息をついた←
心臓に悪すぎるわ、全く…。
あたしが、とりあえず安心していると、
「あ。」
土方の部屋の中に、
あたしの刀が立てかけてあるのを見つけた。
「…鈴ちゃん、頼むからそこから動かないでね!!」
また何をやらかすか分からない…!!
あたしは、鈴ちゃんに念入りにそう言い、
そろーっと部屋の中へと入り、
刀を手にした。
あの時血塗れになった筈なのに、
あたしの刀は綺麗に磨かれていた。
…多分、土方がやったんだろう。
あ、そういえば…
「…傷…」
あたしがつけてしまった傷は、
もうちゃんと治っただろうか。
あの時、あたしの力で傷は塞いだけど…
あたしは傷の具合が気になり、
危険だとは分かりつつも、
寝ている土方にそっと近づいた。
…クマ、出来てるし。
相当寝不足なのだろうか。
土方の目の下には、くっきりとクマが出来ていた。
…パンダかよ。
普段なら大爆笑してやるけれど…←
…もう、
あたしはそんな事が出来る立場じゃないんだ。
あたしは傷がもう治ってる事を確認し、
そっと土方の側を離れようとした。
が。
「…日向…」
「!!??」
掠れたその声に身体が固まった。
もちろん、鈴ちゃんの声ではない。
目の前の声の主を確認する。
けれど、目は閉じてるし、
どうやら寝言のようだ。
チッ…
土方のくせに、
寝言で名前なんか呼ぶんじゃねぇよ…
あたしはバクバクいう心臓を落ち着かせながら、再び側を離れようとした。
が。
「…はや…く…戻ってこい…よ…」
「…!!!」
ガシャンッ!!!
思わず手に持っていた刀を落としてしまった。
しまった…!!!
あたしがやらかした!!!
「ん…?何だ…?」
土方がゆっくりと目を開ける。
「チッ」
あたしは、
今までに出した事ないくらいの
光の速さで、
「鈴ちゃん、行くよ!」
「え、わわっ!」
鈴ちゃんの手を引き、
土方の部屋を去った。