新撰組と妖狐ちゃん!


…。


俺は天井を見上げた。


「…山崎、いるか?」


「…山崎丞は今、睡眠中やでー。」


「寝てる奴はしゃべらねぇよ、
オラ、とっとと降りて来いっ!」


ブスッ


「ギャアァアアアアア!!!!!」


ドシャッ!!


何があったかは、
ご想像にお任せしよう←





「なんやねん副長ー、最近扱いがひどうない??」


天井裏から降りて(落ちて)来た山崎が、血塗れなのは気のせい気のせい。


「山崎、お前、さっきの事見てたか?」


「残念ながら、わいはさっきの副長の独り言で目ぇ覚めたんや←」


びっくりしたわー、
と山崎。


「…誰か来た気配とか分かんなかったのかよ。」


「…んな分かっとったら、起きてるわ」


それって監察方としてどうなんだよ←
…まぁ、俺も物音するまで分からなかったが。


…。


「とりあえず、今さっき俺の部屋に誰かが侵入したんだ。日向かもしれねぇ。多分、まだ遠くへは行ってないだろ。山崎探してこい←」


「ええー、わい眠t「探してこい。」分かった分かった探しにいきますー。」


棒読みで言った山崎を殴りたかったが
探しにいってもらうので堪えた←


このチャンスを逃したら、
一生日向に会えねぇかもしれねぇ。


現に、
一週間何も手がかりがないからな。


「んで、特徴とかはあるん?」


特徴か…


「日向の刀を持っていて、女で、
動きが物凄く速くて、気配を消すのが上手い。あと…」


「あと?」


「…丈の短い着物を着ていた。」


「ぶっ(笑)」


山崎が吹いた←


「ほとんど日向の特徴やけど、
最後のはありえへんな(笑)」←失礼。


それは俺も思う。←失礼。


「ほな、じゃあ探してくるわ←」


何故か急にやる気を出した山崎。


…心なしか、にやけている気がする。


「おい、山崎。よこしまな事を考えてんじゃねぇだろーなぁ?」


俺が顔を引きつらせながら聞いた。


「んな事考えてるわけないやろ。
日向の短い丈の着物姿見たいとk…
…ぁ。」


…。


「よーし、山崎。
お望み通り眠らせてやろう。


…永遠に。」


「わー!?ほな、行ってくるっ!!!」


俺がバキボキと手を鳴らしていると、
山崎はそそくさと屯所の外へ出て行った。


…ちっ、逃げたか。


俺は軽く舌打ちをして、
部屋の中へも戻った。


今度は机で寝ずに、
きちんと布団を敷いた←


「…。」


今夜はちゃんと寝れそうだ。


俺は布団に入り目を閉じた。


何者かが部屋に侵入して
刀を盗んだってのに、
俺がこんなに落ち着いていられるのは、


心の何処かで、
あれは日向だと確信しているからかもしれない。


…待ってろよ日向。









…必ずテメェを此処に連れ戻す。











…しかし、


俺が眠りについた数分後、
俺の眠りはまた遮られるのだった。

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