新撰組と妖狐ちゃん!
沖田side
「…っ!コホッコホッ」
夜中、僕は咳によって目を覚ました。
「コホッ…はぁ…。」
僕はなんとか咳を抑え、
ため息をついた。
この変な咳は、
一週間前、そう、
あの池田屋での事からずっと続いている。
池田屋で眠った後、
…というか気を失ってたんだけどね←
僕は目を覚ましたのは
屯所に運び込まれた時だった。
目を覚ますと、
身体中にあった傷は跡形もなく消えていた。
何でだろ…と不思議に思い、
あの時、あの場にいた土方さんと日向を探した。
「あ、土方さん」
「…目ぇ覚めたのか?」
先に見つけたのは土方さんだった。
けど、
…あれ…?
土方さんの服は血塗れなのに、
身体には傷一つ残っていない。
それは、僕も同じで。
「土方さん、僕怪我したはずなのに、
全く傷が残ってないんですけど。」
屯所内は後片付けや、怪我人の手当てでみんなバタバタしている。
だから、
今はまだ屯所に帰ってきたばかりという事。
こんな短時間で
あんだけの傷が治る訳がない。
すると、
土方さんは苦い顔をして、
「…それは日向が治したんだ。」
俺のもな、と呟いた。
日向かぁ…
確かに妖なら出来そうかも。
「そうなんですか…。土方さん、日向何処にいるか分かります?」
「…。」
お礼言わなきゃ、と僕は辺りを見回し、
日向の姿を探した。
この部屋には居ないみたいなので、
寝かされてた布団から出て、
部屋の外に出ようとした。
その時、
「…日向は…、」
「?」
さっき聞いても答えなかった土方さんが、口を開いた。
さっきと変わらず、
苦い表情で僕に告げられたのは、
衝撃的な言葉だった。
「…日向は…、
…いなくなっちまった。」